連勝の科学

注意
 今回は少し長いので、
 お急ぎの方はスクロールして
 まとめから読んでください。
 また、内容が難しいと思うので
 ゆっくり読むのをお勧めします。
 今回紹介した方法は絶対に
 悪用しないでください。
 そのくらい、強力なテクニックです。

1:連勝の難しさ
 「負けない将棋を指そうとしたら、なぜか負ける」
 「大会などの重要な対局ほど緊張して力が出ない」
 このような体験はよくあるでしょう。
 これはアマチュアに限った話ではなく、
 プロ棋士同士のタイトル戦では三連勝からの四連敗や、
 二連勝からの三連敗であと一歩のところで
 タイトルを逃した、というニュースは昔からありますよね。
 そのくらい勝ち続けるのは難しいことなのです。
 そうは言っても、プロ棋士の藤井聡太さんのように、
 連勝したいと思う人は多いのではないでしょうか。
 そこで今回は連勝するためのテクニックを紹介します。

2:成功の連続「ホットストリーク」
 ホットストリークとは一つ目の勝ちが
 次の勝ちに繋がって連勝が続いていくことです。
 このホットストリークが本当に存在するのかを、
 ペンシルベニア州立大学の研究が、3万人の人たちを対象に調査してくれてます。
 その結果、ホットストリートは存在するということが確認されています。
 また、ロンドン大学の研究者たちがホットストリークについて調査を行いました。
 厳密にはホットストリークではなく「ホットハンド」という現象であり、
 連勝を始めたギャンブラーほど連勝が続くという現象について研究しています。
 その結果、次の3つの事実が分かりました。
  ・多くのギャンブラーは2回続けて勝った時点で
   「次は負けるのではないか」と不安になる。
  ・その不安のせいで、連勝したギャンブラーはそれ以降、
   負けにくい安全な賭け方をし始める。
   その結果、大きな負けを被る可能性が低くなり、連勝が続く。
  ・負けたギャンブラーは焦りとともにリスクの高い賭けをし始める。
   その結果、どんどん負けが込んでいく。
 この研究はギャンブラーを対象にしていますが、将棋などの勝ち負けが明確に決まる
 ゲーム全般に応用できる研究といえるでしょう。
 つまり、ゲームの勝ち負けは目の前にある結果に対して、
 どう判断し、行動したかのよって決まっていくのです。
 では、どのような考え方を持つと良いのでしょうか?

3:チョーキングに立ち向かえ!
「大会などの重要な対局ほど緊張して力が出ない」
 これをスポーツの世界ではチョーキングと呼びます。
 なぜチョーキングが起きるのかをカリフォルニア工科大学が実験しています。
 その結果、「損失回避が高い人ほどチョーキングが起きやすい」ことがわかりました。
 つまり、「勝つよりも負けないことを優先する」と実力を発揮できないわけです。
 では、そのチョーキングを克服するにはどのような考え方を持てばよいのでしょう?
 これもカリフォルニア工科大学の研究をもとにしていますが、
 リアプレイザルという方法でチョーキングを克服できるようです。
 リアプレイザルとは、「再評価」という意味で、
 勝ち負けの原因に対する考え方を変える方法で、具体的には、
  ・普通に対局する
  ・「自分はすでに勝利を手にしている。この対局はその勝利を
   キープできるかどうかを試すものなのだ」と想像してから対局する。
 この二つのグループを比べると、
 後者のリアプレイザルを行う方が実力を発揮できるというわけです。

4:常に勝ち続けるシステムを構築する
 常に勝ち続けるにはリアプレイザルをルーティンにするのをお勧めします。
 心理学では、ルーティンを次のように定義しています。
  ・なんらかの明確なルールに基づき、ひたすら同じことを繰り返す
 おもに上海大学がルーティンの有用性を確認しています。
 そのほかにもゴルファーがボールにキスをするしぐさをしたら
 パットの確率が38%も上がった事例やなど、複数の報告がなされています。
 このように、実際の対局には直接的に関係ない動作でも構いません。
 ルーティンを作る際に大事なのは次の二点です。
  ・「この動作をしたら大事な作業に取り組む」と決めておく
  ・決めた手順を何度も繰り返す
 このポイントを満たす限りどんな内容でも効果は見込めます。 
 しかし、どうせならば効果があることが証明されたリアプレイザルを使うと良いでしょう。
 では、どのくらいの頻度で何回くらい繰り返せば習慣になるのでしょうか?
 この点については、ビクトリア大学の調査によると、
 週4回以上のペースで8週間続けると行動は習慣化されるようです。
 つまり、常に勝ち続けるシステムは
 「リアプレイザルをしたら対局を始める」と決めておき、
 それを週4回のペースで8週間続けると完成するのです。

5:まとめ
 「自分はすでに勝利を手にしている。
 この対局はその勝利をキープできるかどうかを試すものなのだ。」
 と想像したら対局を開始する。
 この手順を週4回のペースで8週間続けると、
 連勝が続くホットストリークが起こる。
   

お断り
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 多くの人の役に立つ知識を
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