「損失回避」とは、敗北は勝利よりも強く感じられるという意味です。
負け星の二倍の勝ち星が見込めないと、対局には乗らないのが平均的です。
つまり、損失は利得より強く感じられるのです。
この見地を発展させたのが「プロスペクト理論」です。
プロスペクト理論は盤外戦術として活用することができます。
特に、不利な局面において効果を発揮します。
なぜなら、相手は勝つことより失敗しないことを意識してしまうからです。
いろんな勝ち筋がある場合はリスクを回避し、
確実に勝てそうな手順を選んでしまうのです。
要するに、相手の損失回避の傾向によって逆転しやすくなるのです。
最後に、プロスペクト理論を使い逆転する具体的なテクニックを解説します。
自玉に二手スキを掛けられている局面を想定します。
こんな局面では、速度によって勝ち負けが決まるので
順当な攻め合いでは通常であれば勝つことは不可能でしょう。
であれば、相手のミスに期待するしかないでしょう。
ここでプロスペクト理論を使うと逆転しやすくなるのです。
具体的には、相手より多くの詰めろを掛ける方法です。
例えば、自分の玉に1通りしか詰めろが掛かってないのであれば
相手の玉に2通りの詰めろを掛けることで勝ちやすくなります。
このテクニックは中盤の終わりくらいから想定しておくと
最も効力が高まるでしょう。
不利な局面以外にも、優勢な局面でも使えます。
将棋におけるプロスペクト理論を一言で表現すると以下の意味になります。
「相手より威力の高い攻めを放つ」。
この技術を習得すれば格段に強くなれるでしょう。
逆転のメカニズム【プロスペクト理論】
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