科学的に正しい形勢判断の方法

「形勢判断の方法を知りたい」
「この局面はどちらが優勢なのか」
将棋指しの能力の一つに形勢判断があります。
形勢判断とは、局面や指し手の良し悪しを判断する能力です。
この能力をある程度まで鍛えると悪手を選択しにくくなります。
将棋連盟のホームページなどでも鍛える方法は掲載してあります。
しかしその根拠はどこにも書いてありませんでした。
そのため私は形勢判断の根拠となる、
「どのような形勢判断の方法が正しいのか」
「なぜそれが正しいといえるのか」
などについて徹底的にリサーチしました。
今回もその成果を発表したいと思います。

岡山理科大学は、駒の価値に着目して局面理解の手掛かりを調べるために、
日本将棋連盟所属棋士12人、アマチュア二段から五段程度の将棋愛好家12人、
将棋を指さない一般の方12人の合計36人が参加して駒配置の記憶実験を行いました。
駒の価値は「玉、飛、角、金、銀、桂、香、歩」の順番だと考えられていました。
しかし実験の結果、「玉、飛」「角、銀」「金、桂、香」「歩」の順番であることがわかりました。
金と銀の交換は従来では金を手持ちにできる方が有利と思われていたのですが、
実際は銀を手持ちにした方が有利ということです。
つまり、駒の価値は次のような順番で価値が高くなっていくのです。
 「歩→香→桂→金→銀→角→飛→玉」

したがって、駒の価値はわかりました。
次は、駒の価値は何によって変動するのかが疑問だと思います。
ですので駒の価値以外の形勢判断の基準を知る必要があります。

相手の駒と自分の駒を比較して駒の自由度つまり働きが大きい方が勝ちやすくなります。
根拠として北陸先端科学技術大学院が面白い研究をしています。
初期局面を102万局面ほど用意し, それを解いた結果、
初手での選択肢数が理論値に影響を与えていることが分かりました。
選択肢数が増えるほど, その初期局面における理論値は先手の勝ちになる可能性が上がりました。
要するに、駒の働きが重要なのです。
駒の働きというのは純粋な選択肢の数です。

駒の価値と働きの理論は使いやすいでしょう。
使う人によって違う形勢判断の方法となりうるからです。
根拠さえ押さえておけば自由に発想してくださって構いません。
より良い将棋ライフをあなたに!

まとめ
 形勢判断の方法
  ・駒の働き
  ・駒の価値

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