質疑応答2 初心者が重視すべきは応用する能力

質問者:KYOUGENMAWASHI
 こんにちは。
 参考になる情報をありがとうございます。
 初心者にはじめにどう将棋を教えたらいいのか悩んでいましたが、
 解決のヒントになりました!
 質問なのですが、初心者は多様な戦法に触れるほうがよい、ということは、
 初心者はまず、特に数を重視して棋譜並べをするのがよい、ということでしょうか?

KYOUGENMAWASHIさん、こんにちは。
質問の意図として「初心者にはどう将棋を教えたらいいのか」を
重視したうえで解答します。ご了承ください。

結論から言いますね。
初心者は棋譜並べに限らずたくさんの局面に触れるのが良いということです。
もちろん棋譜並べは一度に大量の局面と接することが出来るので
数を重視して棋譜並べをするのが良いといえるでしょう。
しかし、ただ棋譜並べをするだけではじつはほとんど効果はありません。
なぜなら、次の思考過程を繰り返さないと上達しないからです。
 1:局面の認識
 2:候補手の生成
 3:先読み
 4:評価
 5:手の決定
これはそのまま効果的な訓練方法となります。
この思考過程を応用した練習法として伊藤毅志教授が提唱した
「未来局面を用いた学習」というのがあります。
具体的な方法は次の通りです。
現在の局面から9手進んだ局面を用意します。
そして、現在の局面から用意した未来局面に辿り着く手順を考えます。
これを繰り返すことで上達しやすくなるのです。

未来局面を用いた学習は上級者も使える練習法です。
たとえば、歴代名人の棋譜を参考にして練習することがあります。
ですが初心者の場合はどの棋譜が参考になるか考えるのではなく
数を重視する必要があります。

また、棋譜並べだけでなく詰将棋や実戦、定跡研究、感想戦などさまざまな種類の練習をすることや、
将棋以外の分野、たとえば心理学などにも踏み込むと応用の幅が広がるんですよ。
つまり、ジャンルを問わずに学ぶことが重要になってきます。

ひとつ、私の実体験を話しましょう。
私は中学生のころから読書が好きでした。
同時に将棋にも熱中していました。
そんなある日衝撃を受けました。

さまざまな棋書を読み漁っていましたが、
どれもこれも似たようなことばかり書いてあったのです。
好奇心の強い私は「これではつまらない」と思いました。
将棋しか専門分野がない人が多いからでしょう。
今ではジャンル問わず多い時で一日20冊読んでいます。
そのため将棋愛好家には知りえないようなことも学べます。

私は学習したことはすべて将棋に応用します。
応用を積み重ねることで将棋に可能性を感じることが出来ました。
新しい視点を得ました。
そしてそれは決して将棋だけでは分からなかったでしょう。

初心者にとって必要なのはすべてを将棋に応用するという視点です。
四間飛車の考え方を角換わりに応用する.....。
棒銀の考え方を向かい飛車に応用する.....。
その結果、斬新な新戦法が誕生するのです。
武道の考え方を将棋に応用する.....。
心理学の考え方を将棋に応用する.....。
その結果、イノベーションを起こす将棋界の革新者になれるのです。

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